株式投資
株式投資は、リスクが大きい一方、リターンが大きいことが期待できる金融商品の代表格
各証券会社の売買方法や、株価の見方・分析といった基本的な仕組みを押さえておけば、初心者でも比較的取組みやすい投資手法です
株式投資の初心者向けに、投資の仕組みや用語などを解説します
株式とは?
会社の事業を運営するためには資金が必要です
- 会社は資金を調達する方法は下記です
- 株式の発行
- 債券を発行
- 金融機関から融資を受ける
- その他
会社は、株式を発行する(公開・非公開)ことで資金を調達することが出来ます
一般に流通していない企業の「非公開株式」を購入することは困難ですが、証券取引所に上場された「公開株式」していれば、証券会社を通じて購入することができます
株式には、国内株(日本株)と外国株(米国株や中国株)もあります
株主の3つの権利
株主は、株式を保有することで、大きく3つの権利を得られます
- 会社の重要な経営方針などを決める株主総会に出席し、決議に参加する権利
- 配当金などの利益分配を受け取る権利
- 会社解散時に、残った会社の資産を分配して受け取る権利
株主=権利を得る+義務が生じる(大したものではない)
株主の義務=「株式の引受価格を限度とした出資義務」=株式を取得した額よりも、損することはない
会社の金銭債務などを支払ったり、追加出資する必要はなく、出資した額以上に損することもないという意味
株価が下がっても出資額(株式購入価格)以上に損はしないが、仮に会社が倒産したら出資したお金は戻らない意味。
例として、10万円で取得すれば、10万1円損することはない(手数料は除く)
株価指標について
株価指標で有名なのは、「日経平均株価」「TOPIX」で、日本経済や日本株式全体の動きを読みとる指標として国内外で広く普及している株価指数
- 「日経平均株価」
- 日経平均株価東京証券取引所プライム市場に上場している約1,800銘柄の中から日本経済新聞社が225銘柄を選定し、その株価を使って算出した株価指数
- 単位は「円・銭」
- 「TOPIX」
- OPIX東証株価指数とも呼ばれ、東証一部に上場する全銘柄を対象とした株価指数
- 昭和43年(1968年)1月4日の時価総額(株価×発行済み株式数)を100として、その後の時価総額を指数化したもの
- 単位は「ポイント」
2022年4月の市場再編に伴い、株価指数の算出方法も見直されております。詳細は日本取引所グループのWebサイトよりご確認ください。
証券会社、証券取引所について
株式投資を行うためには
- 証券会社に口座を開設
- 各証券口座の取引方法を学ぶ
- 口座を開設する際に、「特定口座」を申し込み
- 特定口座とは、株式の売買損益の申告・納税の手間を簡単にする設定
- 「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」のどちらかを選んで設定します
- 「源泉徴収あり」:確定申告を自分でしない
- ただし、20万円未満の利益の場合、確定申告しないと20%税金を無駄に払う
- 「源泉徴収なし」:確定申告を自分でする
- 「源泉徴収あり」:確定申告を自分でしない


株式の注文方法
- 窓口取引(電話による注文も含む)
- 証券会社の担当者から情報提供やアドバイスをしてもらえるメリットはある
- 手数料が10倍以上は違うことが多いので、よっぽどネットが使えない場合を除きしない方が良い
- インターネット取引
- 教えてもらう人がいない場合は、分からない場合もあるが、ネット情報や対象のページに取引方法の説明があるので、ネット開設できる能力があればできます。
- 売買手数料が圧倒的に安い
株式の売買ができる国内の証券取引所は東京・名古屋・札幌・福岡の4ヵ所
東京証券取引所は国内の中心的な市場で、上場会社のおよそ90%の株式が売買されている
東京証券取引所の中にもプライム・スタンダード・グロースと市場が分かれています
取引所 | 開設市場 | 特徴 |
---|---|---|
東京証券取引所 | プライム市場 スタンダード市場 グロース市場 | 国内1番の証券取引所。プライム市場には日本を代表する有力企業のほとんどが上場。2022年4月に市場区分を見直し。 |
名古屋証券取引所 | プレミア市場 メイン市場 ネクスト市場 | 名古屋など中部圏を地盤とする有力企業が単独上場しているケースが多い。2022年4月に市場区分を見直し。 |
札幌証券取引所 | 本則市場 アンビシャス | 札幌を中心とする道内を地盤とする有力企業が単独上場しているケースが多い。 |
福岡証券取引所 | 本則市場 Q-Board | 福岡を地盤とする有力企業が単独上場しているケースが多い。 |
- 各市場には上場基準
- プライム・スタンダードは時価総額の大きい会社が多い
- グロースは時価総額が小さめの新興企業が比較的多い

株式投資の仕組み
株式投資の利益は、3つで、「キャピタルゲイン」、「インカムゲイン」、「株主優待」です
- キャピタルゲイン=保有する株価が値上がりした際の値上がり益
- インカムゲイン =企業が利益を出した場合、株主に現金還元する株式配当金
- 株主優待 =自社の商品やサービスを提供する
株価はなぜ上下する?
株価には定価がなく、需要と供給で成り立っている
- 株式を欲しい人が多ければ上がる
- 売りたい人が多ければ下がる
株価が上下する要因
企業の個別要因、経済全体や業種全体の動きなど、外部要因でも株価は敏感に動きます
輸出企業であれば、為替動向や輸出先の経済指標の結果などの影響も受けます
- 上がる場合
- 決算内容が良い
- 業績向上
- 新製品情報や人気商品の大ヒット
- 外部環境が与える影響が良好
- 自社株買い
- 増配
- 株主優待が魅力的
- 下がる場合
- 決算内容が悪い
- 業績下落
- 不祥事など
- 外部環境が与える影響が悪化
- 増資
- 減配
個別の企業 による要因 | 企業業績 | 業績好調 業績不調 | 業績がよい企業の株価は上がりやすく、業績が悪い企業は下がりやすいのが原則 | ||
---|---|---|---|---|---|
経済環境 による要因 | 国内景気 | 景気回復 景気後退 | 企業活動が活発化する景気回復期には、企業の増益期待が高まり、市場全体の底上げも期待 | ||
為替 | 輸出企業 | 円安 円高 | 輸出企業にとって円高は、海外での商品の値上がりなどにつながり下落要因。逆に輸入企業にとっては上昇要因 | ||
輸入企業 | 円安 円高 | ||||
金利 | 影響を単純に推し量ることはできません | 金利が上がると株式から債券へのシフトが起こりがちですが、景気回復を伴う金利上昇もあり、影響は一概には言えない | |||
海外情勢 による要因 | 海外市場 国際政治 | 欧米の株式市場が好調なら日本への投資資金も増える傾向にあるので株価の上昇要因。逆に紛争などが起きると、投資意欲が低くなり、下落要因。 |

株式を売買するときの注文方法
指値注文と成行注文
株式を買う時、売る時は証券会社に注文を出す必要があり、注文の仕方には「指値注文」と「成行注文」の2通りがあります
- 指値注文
- 売買する値段を指定する注文方法
- 現在の株価が1000円の時、「950円で1,000株の指値買い注文」をすると株価が950円以下まで下がらない限り取引は成立しません
- 指値注文は、買い注文なら指値以下、売り注文なら指値以上の株価にならなければ注文が成立しない
- 指値注文にこだわると売買のチャンスを逃す可能性もある
- 売買する値段を指定する注文方法
- 成行注文
- いくらでもいいから、今買いたい・売りたいという注文方法
- 成行注文は注文を出せばすぐに取引が成立できる
- 想定外の株価で売買が成立することもある
- 現在の株価が1000円の時に「1,000株の成行買い注文」をした場合でも、1000円の売り注文が出ておらず、1010円で1,000株の売り注文を出す株主がいれば、「1010円で1,000株」の取引が成立し、株価が1010円になります
- 成行注文を出して思惑とは違った金額で取引が成立してしまう場合がある
- いくらでもいいから、今買いたい・売りたいという注文方法
株式等振替制度について
かつては、株式は株券という紙の証券が作成され、株券の裏側に株主の名前を記載していました。
しかし、「社債、株式等の振替に関する法律」に基づき、現在は上場会社の株券を廃止し、株主の権利の管理を証券保管振替機構および証券会社などに開設された口座において電子的に行なっています。
電子化に伴い、株主は株券の保管に伴う紛失や盗難、偽造株券を取得するリスクがなくなり、株券の受け渡しなどの手間がなくなりました。

以上、皆さんの役に立てばうれしいです。ありがとうございました。
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