野菜のカテゴリーを考える
ここで言うカテゴリーは、ナス科やウリ科などや、単子葉類や双子葉類の分け方ではありません。
私が考えるカテゴリーは、可食部がどうやって育つかです。
- 土に埋まっているもの(芋類、玉ねぎ、長ネギなど)
- 地面から直で生えているもの(キャベツやホウレン草など)
- 中空になるもの(トマトや豆類など)
- 転がし系(スイカ、カボチャなど)
- 水中・泥の中(レンコンなど)
- 半水中(稲・米など)+サトイモなどの水田の畔などで作るもの
私のメインの専門は1~4で、5~6は知ってはいますが、根本的に違うので今回の解説対象から外します。
一般家庭の栽培での、土づくりのポイント
基本的に、以前の記事を総合して、自分と植物に合った土を作る必要があります。
今回は、カテゴリー別の内容なので、全体的な考えです。
最終的には、選んだ植物に合った土づくりをしてください。
その植物を育てるというよりも、そこで色んな植物を植えるには、面積全体でどういったものが適しているか、逆に適していないならどう考えるかの参考にしてください。
1.土に埋まっているもの(芋類、玉ねぎ、長ネギなど)
土に埋まっている=収穫時に掘り返すものですね。
となると、土の中で、植物が育てる範囲が広ければ広いほど、収穫物は大きくなります。
逆に5cmも根が入らないところで、まともな実が収穫できることは、不可能に近いです。ど根性大根などを育てたいなら別の話ですが。
基本的に、目的とする土壌
- どこまで深くても良いので、1シーズン以上は、柔らかい土の状況=手で掘っても痛くない
- 保水性は、基本的に低く、すぐに水がはける環境にした方が良い。
- 排水性が高ければいいが、生育範囲に石が多いのはNG
- 生育範囲には、可能な限り、5mm角くらい以上の石は取り除く
- 家庭菜園レベルで可能であれば、土壌の下に透水性のあるシートを置くと、混ぜ返した際に、石が混ざらないので、便利です。
- 基本的に、実が出来た位置から、上に膨らんで、土から露出傾向が強いものが多いので、覆土用に余分な土を確保している方が良い
- 畝立ては、上面が平らな台形ではなく、丸いドーム形が良いです。
- 覆土用に持ち上げる土の幅も確保している方が無難です。
- 小さな範囲や、プランターなら、培養土と牛糞を買ってきて、混ぜるくらいで十分です。
- 最近の培養土は、初期肥料入りも多いので、袋栽培などでも十分栽培可能です。
2.地面から直で生えているもの(キャベツやホウレン草など)
地面から出ているところを食べるので、土自体への要求はそこまで重要ではなく、保水性・排水性が良ければ、あまり関係はありません。
基本的に、目的とする土壌
- 基本的には、前段の基本的に目的とする土壌と同じで、問題ありません。
- 逆に、多少の石がある。=取り除くのが大変な場合は、そのままでも大丈夫です。逆に根が生えて石に絡むので、抜けにくかったり、空気を捕まえやすかったりしますので、良い場合も多いです。
- また、10cmも簡単に上られる層があれば、十分に育ちます。
- 畝たては、種まき方法によりますが、基本的には両サイドから中央より少し先に手が届く幅で、低めの上面は平らな台形が良いです。
- 土を後から盛ることはないので、余裕はいりません。
- 小さな範囲なら、水はけさえよければ、培養土と牛糞を買ってきて、その上に10cmの体積があれば、掘り返さなくてもで十分です。
- プランターも浅くて・広い面のタイプが良いでしょう
3.中空になるもの(トマトや豆類など)
地面から出ているところを食べるので、土自体への要求はそこまで重要ではなく、保水性・排水性が良ければ、あまり関係はありませんが、支柱が立てられるような地面の方が良いです。支柱を直刺しで持たないならば、やぐら組をするなど方法はあります。
基本的に、目的とする土壌
- 基本的には、前段の基本的に目的とする土壌と同じで、問題ありません。
- 逆に、多少の石がある。=取り除くのが大変な場合は、そのままでも大丈夫です。逆に根が生えて石に絡むので、抜けにくかったり、空気を捕まえやすかったりしますので、良い場合も多いです。
- 地面から上の方に実がなるので、ある程度の支えがいるので、支柱を組む必要性があり、風で飛ばないようにするのは、植物の重量と根の深さのため、可能な限り土壌は厚い方が、支柱を刺すのも、風対策も楽です。
- 畝立ては、品種によりますが、一本一列植えが基本でしょうから、その幅+通路部分に葉がせり出しますので、葉が出る分+人が通る幅を考えて植えましょう。
- 人の幅90cmがまっすぐ歩ける。60cmが横歩き
- 土を後から盛ることはないので、余裕はいりません。
- 小さな範囲なら、水はけさえよければ、培養土と牛糞を買ってきて、その上に10cmの体積があれば、掘り返さなくてもで十分ですが、支柱の組み方次第です。
- プランターは幅が狭くて・底深のタイプが良いでしょう
4.転がし系(スイカ、カボチャなど)
地面から出ているところを食べるので、土自体への要求はそこまで重要ではなく、保水性・排水性が良ければ、あまり関係はありませんが、地面に直に置くか、敷き藁やビニールなどを引きますので、広い面積が基本的に必要です。特殊栽培としては、トマトなどのように上へ伸ばしていって、吊るして栽培も可能ですが、その場合は、トマトなどと同じ考えで実施してください。
基本的に、目的とする土壌
- 基本的には、前段の基本的に目的とする土壌と同じで、問題ありません。
- 逆に、多少の石がある。=取り除くのが大変な場合は、そのままでも大丈夫です。逆に空気を捕まえやすかったりしますので、良い場合も多いです。
- 基本的に広い面積が必要で、根も横に広がるタイプが多く、葉の面積と同等程度に広がりますので、外周に溝を掘って、排水を上げるくらいの考えで良いです。
- プランターはできますが、大きなものがいるのと、1株から1個を取るイメージで栽培した方が無難だと思います。また、他の植物より、水分が必要な場合が多いので気を付けましょう。
農家や企業向けの土地づくり=施設づくりのポイント
基本的に、土づくりは農家や企業でも、基礎は一般家庭と考え方は変わりません。
土を使わない特殊農業(水耕栽培、ロックウール栽培、ココピート栽培、完全密閉型溶液栽培など)がありますので、農家・企業向けは、土地づくりで紹介します。
違いは、「規模感」と「採算性」ですので、土地当たりの収益率がかかわってきます。
一般家庭でも下記の考え方は、植物を育てる以外でも役立ちますので、参考にどうぞ。
基礎ベースを考える
無駄な栽培面積や、効率の悪い作付けをすると、良品ベースでロスが生まれて、そこから更に生育ロスが発生しますので、初期計画が失敗するとすべてが崩壊します。
また、段ボール箱の腐ったミカン状態で、半滅・全滅も当たり前の世界です。
可能な限り、リスク分散のため、効率度返しの飛び地栽培はしなくていいですが、エリアを小さく区切って、道具を制限したり、工夫をする必要があります。
土耕栽培でなくても、施設栽培でも、10aあたりの栽培量から、想定収穫量や想定経費、想定利益などを計算しますが、机上での計算は、詰めれば詰めるだけ黒字方向になりますが、実際の現場では、隣と干渉しすぎて育たなかったり、作業スペースが無かったり、効率無視の作業を行って、何も出来ずに1日が過ぎて遅れていき、すべて終了がありえます。
土地づくり=施設づくりとは、汎用性があり、ある程度の変更が可能な事です。
敷地面積すべてに対して、限界まで詰めず、それなりに余裕がある設計をして新規事業は立ち上げましょう。
基本的な進め方
- 理想を考える
- ラフな手書き図面に落とし込む
- CADなどで、ある程度の図面を作るか、簡易模型の制作
- メジャーなど計測しながら、実際の幅で動いてみるなどを実施
- 業者見積などで、打ち合わせをして、的確な資材などをすり合わせる
- 御者の考えを聞くのは良いことですが、適当に高い商品を売りつけたい人の方が多いので、注意しましょう。
- 大学の先生などは、知識武装のみで、自分で稼いだことがなく、妄想の方が多いので、聞かない方がいいケースが多いです。他人との差別化で、ミクロの話題を知識武装でマクロに話して、自分はすごいという方が多いので・・・そうでないと生き残れないのですよ研究職は(笑)
- 実際、研究者レベルでは、10㎡くらいの家庭菜園レベルの畑以下でしか作業したことがない人はたくさんおられます。
- 話を聞くなら、同業か、購入先・販売先からの紹介者がおすすめです。
- ただし、聞くだけでは教えてくれませんので、協力関係でこちらから提案して乗ってもらえるような関係性は構築する必要があります。
- 購入先・販売先の情報共有や、作業応援、最新の他の同御者情報共有など、自分だけ勝つ思考パターンでは負けるだけです。
- ここで、進まずに3~5を数回繰り返します。絶対に落とし穴があります。
- 複数パターンを精査して、小さな面積で、実証実験してから、本番に移りましょう。
- 注意としては、失敗しながらでも、修正しながら進んだ方が、実際には儲かるパターンが多いです。ハイリスク・ハイリターンですから当然です。倒産リスクもあります。
- 勝った人の話は聞けますが、負けた人は屍なので話は聞けません。意味は分かりますね。
- 私は、潤沢な資金の会社でしておりましたから、ハイリスク・ハイリターンな方法を取っていた?(取らされていた?)のですが、基本はミドルリスク・ミドルリターン以上派ですから、ご自身の資金と現状の経営状況から進めてください。
今回は、以上です。少しでも皆さんの役に立てば、嬉しいです。
次回もよろしくお願いいたします。
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