植物の習性や生育サイクル、用途別などに分け方
地球所にはありとあらゆる植物があり、人間の都合のいい場合に合わせて、特徴からいろいろなグループにカテゴリーを分けていく場合が多いです。
花や葉、果実などを観賞する目的で栽培する花卉の場合は、生存期間の長さと栽培の共通性から「1年草・2年草」と「多年草・樹木」に分けます。
多肉植物、観葉植物、ラン類など品種による分類もあります。
草か木かで分けることもあり、草か木を明確に区別することは難しいのですが、一般的に、
- 草(草本=そうほん植物):植物の中で茎が木質化せず、軟らかい草質の茎をもつもの
- 木(木本=もくほん植物):硬く木化した茎が1年以上生育を続けて太くなるもの
前回のどこに実をつけるかもその一つです。
花卉(観賞植物)の分類
1年草
- タネをまいてから1年以内に花が咲き、実をつけて枯れる植物のことです。
- 春まき1年草:春にタネをまいて、夏から秋に花が咲き、冬がくるまでに枯れると
- 秋まき1年草:秋にタネをまき、翌春に花が咲いて夏までに枯れる
- 原産地では多年草であっても、日本の寒さや暑さに弱いものは1年草と呼ぶ場合もありますので、越冬して毎年咲くのに一年草?と思う場合はこれです。
2年草
- タネをまいてから満1年以上たたないと開花しない草本植物
- 秋か春に芽を出し、1年目の夏は育つだけで花が咲かず、2年目に開花・結実して枯れます。
- 花芽をつけるまでに株が十分に大きく育ってから冬の低温にあわないと、花芽ができない為
- 近年の品種改良で、2年草の多くがタネまき後1年以内に開花でき、2年草と呼ばれるものがほとんどなくなりました。
- なのであまり聞かないと思います。
多年草(宿根草)
- 開花、結実後も枯れずに、2年以上にわたって生育する草本植物
- 冬でも地上部が枯れないタイプ
- 冬になると地上部が枯れて根だけが残って、春にまた芽を出す「宿根草」タイプ
- 英語では多年草も宿根草も区別せずにペレニアル(perennial)と呼ぶことから、最近では、冬も地上部が枯れないタイプも含めて宿根草と呼ぶこともあるそうです。
- 球根植物も多年草のひとつで、暑さや寒さなど生育に適さない環境を耐えるために、地下部を肥大させてます。
球根植物
- 多年草の仲間
- 地下や地際の部分が肥大して生育に欠かせない養分を蓄えるものを球根(バルブ)といい、それらをもっているもの
- 植え付けの時期によって、秋植え球根、春植え球根、夏植え球根に分けます。
- 養分を貯蔵する部分によって鱗茎、球茎、塊茎、根茎、塊根にも分けられます。
樹木(植木)
性質によって分ける場合
樹木を性質で分類すると、年間を通して緑を保つ常緑のグループと、休眠期に葉を落とすグループに分かれる。
常緑樹
- 常緑=一年中葉がついている木のこと
- ずっと葉が落ちないわけではない。
- 古い葉が落ちる前に新しい葉が出て、新旧交代しているが、一斉に落ちることはない。
- マツ類、スギ、ヒノキなどの針葉樹とツバキ、サザンカ、シラカシなどの広葉樹がある。
落葉樹
- 冬の低温期や乾燥期の生育に適さないときに葉を落として休眠し、生育期になると新しい葉が出てくる木。
- 一般的に夏に葉を茂らせ、秋から冬に落葉。
- 多くの花木がこれに属し、秋の紅葉が美しいものもある。
- 針葉樹:カラマツ、メタセコイヤなど
- 広葉樹:ナツツバキ、ハナミズキ、モクレン、サクラ、ケヤキ、クヌギ、イロハモミジなど
木の高さで分ける
- 成木になったときの木の高さで分けるが、日本の庭で庭木として植えた場合、本来の大きさとは異なることが多い。
- 基準の高さにはっきりした定義はない
- 高木 :8m以上
- 小高木:中間
- 低木 :3m以下
- 小低木:1m以下
日光を好むor好まない
- 陽樹:日当たりが良い明るい場所を好む樹木
- クロマツ、アカマツ、シラカバ、オリーブなど
- 陰樹:あまり日の当たらない場所でも生育できる性質をもつ
- アオキ、ヤツデ、カクレミノなど
- 耐陰樹:陽樹は陰地では生育できませんが、陰樹は日陰に耐えて生育するので呼ぶ事もある。
- アセビ、クチナシ、アジサイ、ジンチョウゲ、シャリンバイ、サンゴジュ
果樹
落葉果樹
- 温帯果樹ともいい、冬に葉を落として休眠するので低温に強い。
- 高木性果樹:ナシ、リンゴ、モモ、クリ、オウトウ、カキ、イチジク、クルミなど
- 低木性果樹:ラズベリー、グミ、ユスラウメ、ブルーベリーなど
- つる性果樹:アケビ、ブドウ、キウイなど
常緑果樹
- 亜熱帯果樹とも呼ばれ、オリーブ、柑橘類、ビワ、フェイジョアなど
- 暖地では庭植えできるが、寒冷地ではコンテナで栽培が主流
熱帯果樹
- 常緑性の果樹
- アボカド、マンゴー、バナナ、パイナップル、パッションフルーツなど
- トロピカルフルーツと呼ばれている。
- 熱帯原産で、とても寒さに弱いのでコンテナに植え、冬は温室や暖かい室内で管理する。
野菜
果菜類
- 果実を利用する野菜
- ナス、ピーマン、トウモロコシ、サヤエンドウ、オクラ、キュウリなど
- 未熟な果実や若い莢(さや)を収穫する
- イチゴ、トマト、カボチャ、スイカ、メロンなど
- 成熟した果実を収穫する。
葉菜類
- 葉や茎、花を食用にする野菜
- キャベツ、ハクサイ、ホウレンソウ、シュンギクなど
- 葉を利用する。
- アスパラガス、タケノコなど
- 茎を利用
- ブロッコリー、カリフラワー、食用ギクなど
- 花を利用する。
葉菜類
- 地下部の肥大した根や地下茎を食用にする野菜
- ダイコン、ニンジン、カブ、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ゴボウ、レンコンなど
分類的には以上です。
皆さんの役に立てばうれしいです。有難うございました。
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